2012年スコットランド紀行 あとがき |
今年のヨーロッパ旅は5月24日〜6月8日まで、14泊16日スコットランドを旅する行程でした。
下町では5月22日の東京スカイツリー開業に向けて町も賑わう中、長い期間で考えいつもと変わらないスタンスでいたかったので、開業と合ったタイミングもいい日取りだったと思います。
空間力を高めることを日々考える中で、目先より長いスパンでいつもと変わらない姿でいたいと先ず思いました。
それは、自分だけでなくお客様と一緒に空間を作っていく中、ぶれることでお客様を不安にさせたり惑わせたりしたくない気持ちでもありました。
今回の旅でDORASの“扉”に新しく入る風を楽しみにいらしてくださるお客様の顔を思い描き、そして伝道したく、旅先では1秒でも多くの事に刺激を受けて感じてきたい想いから旅先でのインターネット上の発信はせず、振り返るのは帰国してからと常にアンテナを張ってきました。
それに対し、昨年のスペイン、フランス旅と日数は同じでしたが、昨年4ヶ月で63話を振り返ったのに対し、今年は約半年かけて39話を書き終えるスローな展開となってしまいました。
それはスコットランドの雄大な大自然の中のゆったりとした空気から生まれるウイスキーから、
「ゆっくりでいいんだよ」
と旅を振り返る中で聞こえてきていたかのようでした。
充実した旅から特に最後の1話は、「これを書き終えると旅が終わってしまう」と旅から帰って振り返っていた中でも疑似旅をまだ続けているようで、中々ラストを書き終えられずにいたのではと思います…
ただその場の感じた感情より、時間を置くと記憶もウイスキー同様に熟成していく事も実感していました。
DORAS開業前、スコットランド旅から得た事をルーツに開業してからはイタリア、フランス、チェコ、オーストリア、ベルギー、スペインと他ヨーロッパ国々の文化を扉に持ち帰りながら伝道の幅を広げてきましたが、昨年、一昨年は一人旅をしながらより自分の旅に対しても考えるようになってきました。
人各々の旅がある中で、自分が何を求め旅をするかということに重点を置きながら、紀行文では自分自身が感じた事をより凝縮して表したいと思っていました。
その想いから紀行文の中では登場人物をなるべく控えさせて頂きましたが、今回旅するに当たり一緒に旅した皆様への感謝といい思い出も消える事なく、記憶と共にその想いも日々より熟成されています。
最後になりましたが、ご一緒させて頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。
ウイスキー・ジャーナリスト山岡様にはアポイントから旅の行程の中でも大変お世話になり感謝の気持ちで一杯です。
また、同業バーテンダーの中でも日本のウイスキー業界を盛り上げリードしている皆様との旅により、大きな刺激と家族のように感じられる絆も出来ました。
「CAMPELLTOUN LOCH」中村様、藤田様
「Bar CAOL ILA」依知川様
「Public Bar Islands」安藤様
大変お世話になり、有難う御座いました。
またいつかこの6人で旅出来る日を望んでいます。
ゆっくりゆっくりとした紀行記となりましたが、読んで頂いた皆様、ありがとうございました。
来年へ向けてのインスピレーションと目標がここ最近グッと沸いた中、そこに訪れて新たな風を探しにいけるよう、日々精進していきたいと思います。