2013年ポルトガル・フランス旅 後記 vol.12 |
ガレット通りを進むと教会があったのでフラッと入っていました。
お腹が空いていましたが、そういう時こそ感じられる事が多いのではと暫く教会内の椅子に座り静かな時間に集中していました。
教会を出て、温かいスープが飲みたいなと思っていたので教会近くの老舗カフェに引き寄せられたかのように入ることに。
芸術家等が集まった古きよき時代を感じるカフェの地下がレストランになっているようで階段を下りました。
「アソルダ・ア・タレンテジャーナ」という半熟玉子とパン入りのアレンテージョ風スープを欲していたので頼みました。
ニンニクが効いた温かいスープが身体に染み渡ります。
またサクランボの果実から造られるリキュールの「ジンジャ」の甘みも歩き疲れを癒してくれました。
まだ時間も早いのと直感から水を貰って、上からフロートしたジンジャ酒の水割りを自分で創り、デザートを選ぶことにしました。
「アローシュ・ドース」というライスプディングです。
米を砂糖とミルクで煮て卵黄を加えシナモンが表面に振りかけられていて、絶品の米のスイーツを楽しめました。
デザートを食べ終え、1階の老舗雰囲気のある中でコーヒーを飲みたく、1階へ移らせて貰いました。
ビッカをカウンターで立って飲むのもいいなと感じ、
カウンターでのビッカです。
濃い苦味が歴史を感じる店内を引き立て、ポルトガル人にとって欠かせないカフェ文化の伝統を改めて感じさせられ店を後にしました。
広場近くの教会にまた寄りました。
ゴシック建築の重厚さが醍醐味の教会で食後の一時から目の前の広場はリスボンで立ち寄りたかった広場でありました。
偉大な詩人を記念したカモンイス広場です。
ポルトガル最大の詩人として称えられるカモンイスは叙事詩で大航海時代のポルトガル人の偉業をうたい上げ、広場の中央にあるカモンイスの像の下へ向かいました。
カモンイスの像の麓に座りながら、叙事詩の
“ここに地終わり海始まる”
がこの時頭の中で大きく支配されてきていました。
ポルトで発熱したまさかの風邪。
エリセイラでの波乗りで海に流し復活出来た海の偉大さ、カモンイスの叙事詩から海が見たくなってきました。
リスボンでの観光客にまみれて町歩きをするよりも雑多な人波から離れてもいいかなと、テージョ川の静かな流れのように気の向くままに身を任せることにしました。
カモンイスの叙事詩が刻まれる大西洋に面した観光地のロカ岬に行くのではなく、ふと感じた海がありました。
広場から駅に向かう途中、サン・カルロス国立劇場に立ち寄りました。
残念ながらリスボン滞在期間にオペラ公演はありませんでした。
そのまま下ると目的地へ向かうカイス・ド・ソドレ駅へ着き、観光客の集まる町を後にしました。