“割り水”的な瓶熟したウイスキー |
約10年に1回、約20年に2回…と変化の出る瓶内熟成(瓶熟)
ワイン等の醸造酒だけが瓶熟するのでなく、蒸留酒も約10年1単位での瓶熟が進みます。
アルコールのトゲが取れたり、深みが出たり、持ってる酒質がようやく顔出したり…と瓶熟による変化を楽しみたいボトルは、ボトリングされた年から開封時を遅らせて待ち、1本のボトルをどのように表現するかにより提供しております。
今回ご紹介の3本は蒸留所からのオフィシャル・ボトルで加水タイプのウイスキーです。
樽出カスク・ストレングスであればより長い瓶熟による変化に耐えられますが、加水タイプの瓶熟は個人的に20年〜25年がピークと感じています。
オールド特有のひねた香りにより、それ以上の瓶熟は加水タイプでは個性が似てくるのが多くピークを過ぎた味わいとなる前での提供が個人的には好んでいます。
加水タイプは水割りになったウイスキー、それが瓶熟により割り水して寝かした麿みと似た感覚が分かりやすい表現でしょうか…
ウイスキーを何杯か飲む中でいきなりカスクストレングスから入るよりも1杯目にはこの辺りからストーリーを創っていくのもおすすめです。
また、自分の中でのオールドボトルの位置付けについて話したいと思います。
“所詮現行品”と云う嫌いな言葉があります。
オールドだから美味しいというのは、自分は毎年各国の生産者に会い、その魂や想いを受けてくる中ではそうは思いません。
その時代による造り手の目指すスタイルの違いであり、オールドボトルは今現在の造り手の目指すスタイルとの対比も時代背景を感じられる1アイテム的な位置付けしかなく、自分はオールドに執着し過去しか見えないよりも、今現在のスタイルの良さから今の良さや未来を伸ばしていきたい想いでもあります。
そんな想いの中でのご紹介となります。
ザ・グレンリベット (500ml/43%) アメリカ向けビッグハンディボトル
トマーティン12年 (750ml/43%)
タリスカー10年 (750ml/45.8%)