2011年ヨーロッパ紀行 vol.28 |
ホテルを出て車に向かいましたが、もしかして他のポイントで波が良かったらと思いホテルに戻りサーフボードと干したばかりのウェットスーツを持っていくことにしました。
車に詰め込み向かう前に板を借りたサーフショップに寄り車で出掛けてもし気付いた時にスペイン側へ行ってしまった時の為に預けたパスポートを持っていきたいと宿泊しているホテルを伝えると
「ホテル・ボーリューは皆友達だからパスポート預けないでいいよ」
と返してくれ、パスポートを持って車に戻り南へ下ってみることにしました。
明後日高速道路でコニャック地方へ向かうのに時間のロスがないよう乗る場所も確認しておきたかったのですが、窓を全開にして気持ちいい風と暑い太陽を浴びながら国道を気持ち良く走っていましたが…
気付いたら隣町のサン・ジャン・ド・リュズに着いてしまいました。
ビアリッツから高速のオートルートに乗るのは結構距離があるのを事前に地図で確認していたのですが、帰りに確認して明後日への予習をすることにしました。
このまま下ってスペインへ入りサンセバスチャンまでとも思いましたが、時間的にもゆとりがなく勿体無いのでサンセバスチャンは明日にしようとサン・ジャン・ド・リュズの町に入りました。
町はびっくりすることに駐車場がどこも一杯で、仕方なく大通り沿いで空いたスペースを走りながら探しましたが中々空きがありません。。
狭いスペースがあったので車の流れが切れた時にバックして入れてみると小さな車だったので小回りが効きなんとか駐車出来ました。
大通り沿いにインフォメーションがあり中で地図を若い女性スタッフに貰い地図を広げてこの辺りでサーフィン出来るポイントはどこかを聞くと、ちょっと待ってと年輩の女性スタッフが来ました。
焼けた肌からもサーフィンをしている感じのその女性はサン・ジャン・ド・リュズの海岸は波が無く海水浴場なので北に上がりギダリーという古い村が最高とのことでした。
以前お世話になっている元プロサーファーの賢さんが、サーフィンの世界大会で初めてビアリッツで大会が開催され出場された時にギダリーでもサーフィンをした話も旅前に聞いていたのと、ビアリッツから来る途中ギダリーへの標識を見たので戻ることも考えましたが、折角サン・ジャン・ド・リュズまで来たので道を歩くことにしました。
また、旅前に予習でお邪魔しましたバスク料理店で青山「ローブリュー」櫻井シェフがサン・ジャン・ド・リュズで5年間経験された話もお店で色々と聞かせて頂き楽しみにしてもいたのもありました。
インフォメーションを出てとても暑かったので売店でアイスクリームを食べながら歩いていると赤い窓枠に真っ白な漆喰壁のバスク風の町並みが目に入り美しいです。
レストランのテーブルにはバスクカラーのテーブルクロスが掛けてあり可愛らしい雰囲気です。
サン・ジャン・ド・リュズでの最も重要な歴史的出来事は1660年の太陽王ルイ14世とスペイン王女マリー・テレーズがこの地のサン・ジャン・バティスト教会で行われたことでもありました。
その結婚式にこの地のパティシエのアダムさんによってマカロンが贈呈されたことから、元祖マカロンとして知られる1660年創業のパティスリーが町にありました。
パティスリーを見つけるとウインドーにバスクの銘菓ガトー・バスクもあり入ってみました。
マカロンやチョコレートも種類がとても多くあり興味をそそるのも多く、幾つか選び買いました。
チョコレートも17世紀にアメリカ大陸からスペインに伝えられたカカオがピレネーを越えてバイヨンヌの港に運ばれ、またフランスで初めてチョコレート工場が出来たのもバイヨンヌでした。
フランスのチョコレート発祥のバスク地方にはチョコレート屋さんが多いと聞いていたのであれば必ず食べてみたいと思っていました。
昨年のベルギーを中心とした旅でもベルギー王室御用達のチョコレートから刺激を受け自家製生チョコレートにもプラスになり色々食べ歩き買っても来ましたが、この暑い時期で買ったチョコレートも暑い陽射しやレンタカーでの移動で溶けそうなので食べる分だけ買い、海沿いに出て防波堤に座り穏やかでのんびりした海を見ながら、マカロンとチョコレートを歴史を振り返りながら優雅な気持ちで食べました。
海も海水浴で賑わい、ヨーロッパ各地から訪れるリゾート客で賑わっているとのことで駐車場がどこも一杯なのが分かりました。
海沿いにはバスクカラー柄のミニトレインが通り、可愛らしい雰囲気もより漂わせます。
サン・ジャン・ド・リュズでもう1つ文化を吸収したかったのがバスク織の文化でバスクの特徴の底の広いグラスやバスク織を売っているお店があり入ってみました。
バスクの特徴的な背が低く底が広いグラスにはバスクのマークが入っています。
お店では1930年代の布を使ったこの地の伝統的なレースやテーブルクロスなどのバスク織があり、幾つかお勧めして頂き買い物をし、また他にお客様がいらっしゃらなかったので並べてあるアンティークグラスの説明を聞かせて頂き、お店を経営しているマダムにとても親切にして頂けました。
お店を出てから旅前に要望のありましたバスク帽を探して入手し、短い時間でしたがサン・ジャン・ド・リュズの町を後にすることにし、オートルートで帰ってみようとインフォメーションにまた寄り高速道路への行き方を聞き車に向かうと、警察官がびっしりと並んだ車の駐禁チェックをしていて、慌てて車に乗り込み暑い車内からエンジンをかけて発進して免れました。
教えて頂いた通りにオートルートでビアリッツに向かうとあっという間に着いてしまい、1つ隣の町へでしたが国道と高速道路の移動時間の差にびっしりしました。
ビアリッツのオートルートの乗る場所が分かったので明後日の弾丸コニャック移動へひと安心しました。
車を停めてホテルへ戻りベッドに横になり30分位昼寝することにしました。