2011年ヨーロッパ紀行 vol.47 |
工程は熟成庫へとなりましたが、ここからは本物の熟成の樽が眠っていました。
この広い敷地はヘネシーが持つ熟成庫で、その一角に見学ツアー用に製造行程が展示されていたのでした。
シャラント川沿いは高湿度によりアルコール度数が低下しやすく熟成に最良な場所となっています。
コニャックでは作り手により様々な加水方法がその作り手のこだわりやスタイルであるのもモルトウイスキーとの相違点です。
莫大な敷地内の熟成樽や、柵の中に眠る旧い年代物の樽やボンボンヌを見て熟成庫を出てヘネシー号にまた乗り、雨も上がり雲から青空が見える中、シャラント川を対岸に渡りました。
これで見学は終わりとなりますが、最後にヘネシーVSかユニブラン種の葡萄ジュースかどちらかを選んで飲む流れとなりました。
コニャックでは若いコニャックをシュェップスで割るのをおすすめしているようで、シュェップスはノーマルのトニックウォーターだけでなく、葡萄味や桃味、オレンジ味など色々な種類があり割って飲むのを若い世代に提供しているのを感じられました。
葡萄ジュースも頂きましたが、美味しくてお代わりしてしまいました。
これで見学ツアーは終わり18時を回っていたので、飯島くんに夕飯を食べに行こうと話をすると飯島くんは案内して頂いた女性に
「おすすめのレストランを教えてくれますか?」
と聞いて男性社員も交ざりおすすめのレストランを聞きました。
飯島くんはと女性がフランス語で会話をしていましたが
「食事を楽しんで。私達はあともう一回説明ツアーがあるから大変〜。今日は金曜日だし早く帰りたいわ」
と言っていたようでした(笑)
ヘネシーを出てコニャックの町を歩きながら教えて貰ったレストランへ地図を見ながら歩きました。
レストランに着き表のメニューを見ましたが…
イタリア料理とフランス料理が交ざっていたので、飯島くんに折角コニャックにいるから郷土料理が食べたいし他を探してみようよと話し、歩き探し始めました。
飯島くんがボルドーへ帰る最終電車の切符を買っていたので、早く探して入ろうと表のメニューを見ながら決めたレストランに入りました。
郷土料理が食べたいと伝えるとおすすめがあるとのことで頂くことにしました。
乾杯をし、ワインはリストからサンテミリオンのグラン・クリュ「シャトー・ロック・ド・カンダル2006」を先に開けておいて貰いました。
ビネガードレッシングにコニャックが入った鴨のサラダを二人で分けると伝えていたところ、パプリカパウダーが乗った取り分けのお皿が出てきました。
飯島くんは肉汁が溢れるハンバーグ、僕は鴨やバケットの上に乗ったフォアグラ、野菜が何とテーブルにフライパンでそのまま出てくるメイン料理を食べながら時間はあっという間に過ぎてしまいました。
付け合わせの山盛りフリットもワインも美味しく色々と会話も弾み楽しい食事となりました。
飯島くんに電車の時間は何時なのかを聞くと
「そうですよね、見といた方がいいですよね」
とカバンから切符を見て
「20時59分です」
と冷静に言うのですが、時計を見ると20時半でここのレストランのコニャックの中心地から駅まで15分はかかるので慌てて会計をしに行きました。
席に戻り飯島くんに行こうと言うと
「デセールはいいんですか?」
と落ち着いているので、時間ないから早く行こうと出ました!
タクシーで行こうと探しましたが、
「歩いて行きましょう。多分電車は遅れてきますから」
と言うのでタクシーを呼ぶにも時間が読めないし歩きましたが…
歩きながら20時59分に乗って23時半にボルドーに着く遠く離れたボルドーまで帰るのに最終電車に乗り遅れたらと僕は何度も時計を見ていましたが、そんな姿を見て飯島くんは
「大丈夫です!フランスは僕の庭ですから(笑)」
とコニャックに来れて良かったと余裕で歩いています。
駅に着くと電車は本当に遅れていたようで間に合いました。
僕はホッとしていましたが、飯島くんは
「急いだ食事でデセールまでたどり着けなかったので、ホテルに帰ったらさっきお渡ししたボルドーのパティスリーの食べてください」
とそんな気をかけてくれていました。
飯島くんにわざわざ遠く離れたコニャックまで来て貰ったお礼とまたの再会を約束し握手した手を離し電車に乗りボルドーへ帰って行きました。
コニャック駅からスゴンザックのホテルへ帰るのに、ホテルで教えて頂いたタクシーへ電話をして駅まで迎えに来て貰いホテルへ帰り、飯島くんからの焼き菓子とコニャックを楽しみました。
コニャック2日目は朝「フラパン」訪問から午後に飯島くんと会い「ドュピュイ」、「ヘネシー」訪問から夕食をしてと充実の1日となりました。
昨日は車没収からの動揺が出ていましたが、飯島くんとの1日で気持ちを取り戻せたのはとても大きかったのを感じました。