2011年ヨーロッパ紀行 vol.55 |
楽しい食事が終わり皆で散歩となりましたが、ローランさんご家族では夕食後に皆で散歩するのが日課とのことでした。
お子さん2人は娘さんは小さな自転車、弟さんはさらに小さな補助タイヤのある自転車にまたがり遥か彼方まで続く畑の一本道を進みました。
気持ちいいほろ酔いに気持ちのいい空気を一杯に食後に吸いながら畑道を進み、畑やコニャック造りの話も聞かせて頂きました。
帰り道では日がようやく沈みかけると空気が冷たくなってきました。
寒くなってきたのでしゃがんで娘さんの上着のチャックを上げました。
畑に日が沈む風景を見ながら、今日でコニャック滞在が終わりとなるのを思い目に焼き付けました。
いつかまた必ずここに戻ってきたいと強く思いながらご自宅に戻りました。
お子さん達は寝る時間となり、寝間着に着替えてサヨナラをしましたが、2人ともとても可愛くて寂しさが込み上げてきました。
「お休みなさい!」
と言いながらすたすたと寝室に向かう姿を見ているとローランさんがさっきのシガーを燻らしに庭へ行こうと、コニャックとコーヒーとシガーを持って2人でテラスに向かいました。
日が沈みかけの散歩の時から直ぐに日が沈むと辺りは真っ暗になっていました。
電灯1つない暗闇も幻想的で、ローランさんがプレゼントして下さったフランス産のシガーをカットして火を点し、2人で1本のシガーを代わる代わる燻らしながら2人の時間を楽しませて頂きました。
店のことや浅草でコニャックを伝道したい思いやシガーのことなどの話をしながら…
ローランさんのお父様のギィさんのコニャックからシガーが短くなり始めるとお祖父様の時代のコニャックを合わせたり…
1本のシガーからのストーリーが創られました。
シガー・タイムも終わり時計は22時半を過ぎていました。
テラスから戻るとマダムは僕達がシガーを燻らしている間に片付けを終えられていて読書をされていました。
ローランさんが車でコニャック町のホテルまで送ってくださるとのことで、何から何までお世話になってしまいました。
車に乗り優しいマダムが手を降っていただいているのを振り返って見ながら、真っ暗な畑道を進みました。
ファンボア地区とグランド・シャンパーニュ地区が1本の道を隔てて変わる道も教えて頂きました。
次にコニャックへ訪れる時には車でローランさんご家族に会いにいきたいなと思いましたが、今回レンタカーの没収があったからこそローランさんご家族との思い出に残る1日を頂けたのでは・・・と思うようになっていました。
車はコニャックの町に入りホテルに着きました。
もう23時をとっくに回っていました。
車に満載にあった荷物を下ろすとローランさんも一緒に荷物を部屋まで運んで下さいました。
荷物が多いので1階の部屋にして頂いていましたが、この量の重い荷物をパリまで運ばなければならないのが頭を過りました。
握手をしながら大変お世話になったお礼を伝え、ローランさんともお別れとなりました。
ローランさんは車に乗りロータリー方面に向かって行きました。
車は見えなくなりましたが、もしかしてロータリーで回ってここに帰ってくるかもしれないと道路を見ていると・・・
ローランさんの車がこっちへ向かってきました。
思いっきり手を降りながらローランさんと目が合い、お互い手を降りながら僕は車が見えなくなるまでずっと手を降っていました。
車が見えなくなっても今日朝からの1日を振り返っていました。
暫くしてホテルへ帰りました。
次の日朝にパリへ向かうのに荷物を開けて散らかしたくないので、そのままにして服を脱ぎベッドに入りました。