2011年ヨーロッパ紀行 vol.56 |




6月19日(日)
コニャック最終日にローラン・ピナールさんご家族に1日お世話になり、また最後にローランさんと1本のシガーを代わる代わる燻らしお話出来た時間からも、コニャック造りへの情熱や地元愛を直に吸収でき、ゆったりとした気持ちになれたのも滑車をかけ深い眠りに就き朝起きました。
シャワーを浴びて着替えてホテルをチェックアウトする際にフロントでタクシーを呼んで貰いました。
とにかく大荷物を手持ちでパリまで持って行かなければなりません。
タクシーでコニャック駅まで行き10時16分のTGVに乗りコニャックを離れアングレーム駅に着きました。
ここが一苦労で階段をスーツケース、お酒を括ったコロ、グラス類が入った大きなリュックを順番に上り下り、手荷物類を入れたバックは離さずにパリ行のホームへ下りました。
11時35分にアングレーム駅を出発したTGVはパリのモンパルナス駅に向かいました。
列車の荷物置場に荷物を入れ終わり一先ずホッとしました。
アングレームからパリまで約3時間の移動となり、お酒をくくりつけていたコロを開けて飯島くんから頂いたハーフボトルのワインを飲むことにしました。
飯島くんの言葉のように、このワインは帰国する前に飲んだ方がストーリーになるのではとの思いもありました。
6月でまだリリースされる前の若さ溢れ硬いボルドーのプリムール「シャトー・カマンサック2010」は、オー・メドック地区サン・ローラン村の第5級格付けシャトーです。
高速で進む列車に揺られながら、経過年からワインの飲み頃や寿命を見たりしながら…
パリでの予定を整えたり…
ワインを飲みきり、少し昼寝をしたりしているうちに14時23分にパリ・モンパルナス駅に到着しました。
この荷物を地下鉄で運ぶのは無理なのでタクシー乗場に向かいました。
パリに着くと少し肌寒く感じました。
スペインからビアリッツ、コニャック、パリと南から上がってくると気温の違いをとても感じます。
パリは3度目となりますが、今回滞在する地は初めてシャンゼリゼや凱旋門から近くのテルヌ駅付近となります。
1度目のパリはモンマルトルの麓でムーラン・ルージュがあるピガール駅付近、2度目はオペラから1駅下ったピラミッド駅付近でしたが、昨年のパリは寝たきりだったのもありますが、エッフェル塔や凱旋門も見たりする観光は一度もしていなかったので、タクシーに乗りながらエッフェル塔を初めて見ました。
タクシーの窓を開けて写真を1枚撮りましたが、大荷物での移動で今日はこれが初めての写真でした。
タクシーの黒人の運転手さんもとてもいい方で、ここまでの旅の経緯を話しましたが、レンタカーを警察に没収された話をすると信じられないとびっくりしていました。。
テルヌ駅付近もパリでも宿泊するには高級ホテルが多かったのですが、インターネットでよく探し、他エリアと同等クラスのホテルを予約してありました。
何故今回このエリアにしたかというとパリへ着いてホテルへチェックインして17時からシャンゼリゼ劇場でオペラのチケットを取ってあり、直ぐ向かうのに近いエリアがよかったからでした。
ホテルに着きホテルに入るのにフロントが、2階で階段しかないのでまた荷物を分けて上げなければなりませんでした。
チェックインしフロントで鍵を貰い部屋に向かいましたが、エレベーターで1番上の8階まで上がり、そこから1つ上の階までは階段で上がらなければならず、フロントへ戻り荷物が多いから部屋を変えて欲しいと伝えましたが、生憎部屋は今日は埋まってしまっていて、明日なら変えられるとのことで仕方なくまた荷物を小分けに運びました。
部屋に着き時計を見ると16時をとっくに過ぎていて直ぐにスーツに着替えてホテルを出ました。
大荷物での移動で時間がかなり掛かってしまっていました。
駅がどっちかもわからずホテルを飛び出たので、偶々目の前を歩いていた日本人女性2人組に駅の方向を聞き小走りに向かいましたが、通り沿いに出店が並び、アンティークの小物が目に入りました。
「もしかして骨董市をやっているのかな」と小走りしながらアンテナを張っていると1軒とても素晴らしい数々のグラスがある出店が目に留まり、足がピタッと止まりました。
偶々予約したホテルの目の前で行われていた骨董市でオペラの時間が迫っていましたが、お店の方に聞くと
「今日の19時までしかやらない」
というので、これは運命と思いグラスを見ながらインスピレーションの沸くグラスを探すことにしました。
ラリックやバカラ、サンルイなどフランス産ブランドのオーラを放つグラスの中から
「あのカクテルを注ぎたい」
とか
「あのお酒を注ぎたい」
とか…
ストーリーとイメージが沸くグラスだけ手に取り購入となりました。
また破格の値段でびっくりしました。
纏めて買うとのことでより値引きもして頂き、会計を終えて走ってホテルへ帰り、部屋のベットの上に出逢いのグラスを置いて、カードが使えずお金を使い切ってしまったので紙幣を足して、直ぐにホテルを出て駅に走りました。