2013年ポルトガル・フランス旅 後記 vol.11 |
朝8時に起きて共同シャワーを浴びに行き鏡を見ると昨晩の塩分過多でパンパンな顔をした自分がいました。
今日はポルトガルでの最後の1日となります。
ホテルから早々に繰り出し、先ずはリスボンの酒屋へ仕入れに向かいました。
ホテルから歩いて向かう途中には名物の市電が行き来してリスボンらしさを感じさせてくれます。
ポルトの外れの酒屋で圧巻の古いヴィンテージを見て、また日本からも流通価格を把握してからポルトガル首都リスボンへ来たのもあり、仕入れ価格に関しては明確なるラインを持って訪れていました。
酒屋に着き壁一面に広がるポートワインを見ながら、ポートワインからその裏を突きたく思っていたことがありました。
今回ポルトへ足を運ぶ中で、ポートワインの生まれる土地の背景を感じてきたい想いもありましたが、ポートワインだけでなく自分のバーのコンセプトからポルトガルのブランデーにも着目していました。
ブランデー文化を伝道したい想いはフランスへ移動する中、一昨年に続くコニャックへ渡ることに繋がりますが、日本には輸入や文化の知られていないポルトガルのブランデー文化を伝道出来るボトルに酒屋では各種出逢うことが出来ました。
各々に造る中でのコンセプトの違いが明確に伝わるボトルを選ぶ事が出来たかと思います。
面白いのがコニャックで対比し易い大手会社と小さな農家のプロプリエテール(一貫した自家栽培・自家蒸留・自家瓶詰)との味わいの違いも各々に良さがある中で、ポルトガルのポルト・ブランデーにおいても、超大手となるサンデマンやメジャーブランドのニーポートに比べる小さな造り手との違いも明確に出て、各々がどこを目指しているかというスタイルを感じさせてくれます。
日本に文化の伝えられていないポルトガル・ブランデーを伝道していけると手応えを掴みました。
ワインにブランデー添加をして造られるポートワインをより凝縮した厚みある味わいへと感じ、ポートワインからの流れも面白いと思いました。
また、コニャックとの対比も文化を感じられます。
ポートワインだけでなく葡萄が育つ土地だけにあると思っていたポルトガル・ブランデーも含め、ポルトガル流れのウイスキーやリキュール類の仕入れと手続きを終え酒屋を出ましたが…
時計を見るともう11時半となっていた程集中した時間でありました。
朝起きてエリセイラのスーパーで買った甘味菓子を食べて血糖値を上げただけで、その食前の五感の優れた中で仕入れをしたかった為、集中した時間でしたが酒屋を出ると空腹感に襲われてきました。
来た道を戻りながらプラタ通りを左に向かうと海が見えてきました。
黄色が映えるコメルシオ広場はリスボンの海の玄関口と呼ばれるだけあり、
広場の向こうは大西洋に繋がるテージョ川が広がりました。
酒屋での仕入れでいい仕事が出来たこともあり、穏やかな水辺に佇みながら、空腹に何を今欲しているのか問い掛け、またこれから何処へ向かおうかと、ポルトガルでの最後の半日をゆったりとしたテージョ川の水の流れのように身を任せることにしてみました。