2013年 09月 08日
2013年ポルトガル・フランス旅 後記 vol.26 |
「ジャン・フィユー」を後にし、ジュイヤック-ル-コック村からD736とD95を経由して約20分で「ポール・ジロー」の位置するブートビル村に着きました。

ポール・ジロー家を探しながら進むも気付けばブートビル村の出口まで来てしまい、Uターンして村人に聞くと通り越してしまっていました。
村では勿論知らない人はいないというポール・ジロー家です。
400年前からこのブートビルで代々農業を営み、1800年後半からコニャックの生産を始められた長い歴史があります。
16時のアポイントにちょうど間に合うとポール・ジローさんが温かく迎えてくださいました。
ジローさんとは日本でも正規代理店ジャパン・インポート・システムさんのセミナーやイベントでもお会いしていて、一昨年の旅でレンタカー没収からポール・ジロー家に辿り着けなかったのと、その年に日本で開催されたイベントで、
「あれは偽物の警官だったのでは?」
と心配してくれていたジローさんにご挨拶し、違反の紙を見せるとイベント・ブースをそっちのけで食い入るように紙を見てくれた優しさ溢れた男性です。
それもあり日本から1人でブートビル村まで訪ねてきた自分に対して、より温かい握手で迎えて下さりました。
早速ジローさんの車ですぐの距離でありますが畑に向かいました。
グランド・シャンパーニュ地区でも超一等地となる日当たりに適した斜面を持つ35ヘクタールの畑を毎日廻るジローさんは車から降りるなり説明を始めました。

グランド・シャンパーニュ地区を表す石灰質の土壌を活かす為、その土壌の水分を雑草を残すことにより蒸発しやすくしてくれるという考えから、畑には雑草をそれに合わして残すと言います。

冬場に剪定も済ませる点も含め超一等地の畑とは地区だけでなく造り手の愛があるからこそ超一等地なのだという事が明確に感じられました。
コニャックにはワインと違い若い樹が適してると、若々しく健康に力強く育ち上がったユニ・ブラン種の葡萄を2週間かけて全ての葡萄を手摘みして品質を確認しています。
次に歴史の長い2基の蒸留器です。

収穫後から翌年の3月終わりまでの期間のみ蒸留される為、6月下旬のこの時期は可動されていませんが、蒸留期間は寝る暇がないほど目が離せず忙しくなります。
蒸留時間は24時間、第2次蒸留ではフランスのAOC規定(原産地統制呼称)によりアルコール度数70〜72%の原酒に合わす為、30分ごとに状態確認します。
それは近代的な自動的に設定した度数まで蒸留を続けてくれる蒸留器ではない為です。
第2次蒸留を終えた原酒はまず直接樽詰させて状態を落ち着かせてから熟成庫に運びます。

そしてここから造り手様々の熟成方法となるのです。
ジローさんが熟成に関して何よりも気を遣い、また重要と考えるのはまず湿度です。
築300年以上となる熟成庫でびっくりしたのは湧き出る水が流れていたり茸があったりと自然界に満ちていました。

その湿度約100%の高湿度となる貯蔵庫によりアルコール度数を下げることを可能とし、15年自然に寝かすとアルコール度数40度までカスクストレングスで造りあげられるポール・ジロー家です。
乾燥した貯蔵庫ではドライなコニャックが出来上がり、高湿度の貯蔵庫ではやわらかいコニャックが出来上がります。
4つの湿度の違う貯蔵庫を使い分け、樽の移動や移し変えという細かい作業を繰り返すことで製品化する愛の賜物としか言いようがありません。
そしてもう1つジローさんが重要視するのが樽の個性です。

使用する樽は古樽、それほど使い古されてない若めの樽、新樽の3種を使い分けしますが、コニャックはまず新樽に入れて熟成します。
その新樽は1樽800EUROするという内訳も教えて頂きました。
その高額なる新樽へ詰められた中でも、葡萄の良さを全面に出すプロプリエテールでは長い間新樽に入れません。
新樽で熟成をすればする程樽の成分が抽出されますが、折角の葡萄の良さを隠してしまうからです。
勿論砂糖やキャラメル・着色を一切使用しませんが、ある意味自信がないと出来ない素っぴんコニャックを生むことが出来ます。
一貫した自家でのボトリングや

ラベル張りへ

これも見切れる範囲だからこそ出来るスタイルから、1本1本により情熱が含まれていると思います。
じっくりと詳しい説明を受けてのテイスティングは掛け替えのない時間となりました。

本日3軒目で、また各家で飲ませて頂いたコニャックを含めると相当な量となりましたが、見学と説明を受けての味わいはこれ以上なく染み渡りました。
ジローさんにも手拭いと羊羮をプレゼントし、ジローさんも機嫌良く招き猫のポーズを取ってくれていました。

魂が注入され、テンションが上がっていた自分は、ジローさんにコニャックと羊羮の合わせのマリアージュを熱々と説明を始めていました(笑)
羊羮とコニャックの繊細な味わいによる合わせは勿論ですが、何よりもプロポリエテールのコニャックを飲む際に重要な点。
その点とは“水”との相性の悪さでありました。
ハードリカーを飲む際にチェイサーは大事でありますが、チェイサーを飲んで口にまだ水分が残っているところにコニャックが入ると繊細なコニャックだと味わいも一気にストーンと落ちてしまう為、口の水分を拭う1つとして羊羮の位置付けを考えました。
水を切ったり一度口の中をフラットの状態にするにはバケットも良く、よく試飲会でバケットが置いてあるのもその意味があるのですが、口の中の水分を吸収し水分がない状態にしてくれる羊羮が口に繊細に残る中にコニャックが入ると、“増幅装置”として口の中で“爆発する”味わいを楽しめると。
加水タイプのウイスキーのように原酒に水を加えて度数を下げるという工程の無いコニャックで、特に繊細、華やか、優雅なプロポリエテールでは尚更、水との相性の悪さから飲んで頂く中で注意して頂く点でありました。
情熱ある造り手に現地で接し、熱い魂をより感じているからこそ、その想いを伝道したいし、折角の1杯を美味しく飲んで頂きたい思いでしかありません。
そして、羊羮によりコニャックをより美味しくお客様に飲んで頂いて欲しい気持ちから、自分味の羊羮を作るに至った想いをじっと真剣に聞いてくれたジローさんでした。
ポール・ジロー家のコニャックは酒質から噛むようにして飲むと葡萄の旨味が広がる中、より羊羮が引き出してくれると大熱弁してしまった自分がいました…
ジローさんに感謝の想いから秘蔵の1本を購入し用意して頂いてる間に事務所の壁を見ると正規代理店ジャパンインポートシステム社員さんのサインが張られていました。

ポール・ジロー家のコニャックは現在輸出が1番多い国は日本、2位がドイツ、3位はデンマークという中、日本正規代理店向けには1番いい樽を入れるんだと言い切っていたジローさんでした。
そしてその横には愛するギィ・ピナール家で教えて頂いた仏コニャック協会がコニャック販促用に考案したカクテル“コニャック・サミット”のポスターも張られていました。
ジローさんと熱い握手を交わし、車まで見送ってくれた中お別れとなりました。
グランド・シャンパーニュ地区超一等地3つの農家を廻り、よりコニャック文化伝動へ気持ちが高まる経験となりました。

ポール・ジロー家を探しながら進むも気付けばブートビル村の出口まで来てしまい、Uターンして村人に聞くと通り越してしまっていました。
村では勿論知らない人はいないというポール・ジロー家です。
400年前からこのブートビルで代々農業を営み、1800年後半からコニャックの生産を始められた長い歴史があります。
16時のアポイントにちょうど間に合うとポール・ジローさんが温かく迎えてくださいました。
ジローさんとは日本でも正規代理店ジャパン・インポート・システムさんのセミナーやイベントでもお会いしていて、一昨年の旅でレンタカー没収からポール・ジロー家に辿り着けなかったのと、その年に日本で開催されたイベントで、
「あれは偽物の警官だったのでは?」
と心配してくれていたジローさんにご挨拶し、違反の紙を見せるとイベント・ブースをそっちのけで食い入るように紙を見てくれた優しさ溢れた男性です。
それもあり日本から1人でブートビル村まで訪ねてきた自分に対して、より温かい握手で迎えて下さりました。
早速ジローさんの車ですぐの距離でありますが畑に向かいました。
グランド・シャンパーニュ地区でも超一等地となる日当たりに適した斜面を持つ35ヘクタールの畑を毎日廻るジローさんは車から降りるなり説明を始めました。

グランド・シャンパーニュ地区を表す石灰質の土壌を活かす為、その土壌の水分を雑草を残すことにより蒸発しやすくしてくれるという考えから、畑には雑草をそれに合わして残すと言います。

冬場に剪定も済ませる点も含め超一等地の畑とは地区だけでなく造り手の愛があるからこそ超一等地なのだという事が明確に感じられました。
コニャックにはワインと違い若い樹が適してると、若々しく健康に力強く育ち上がったユニ・ブラン種の葡萄を2週間かけて全ての葡萄を手摘みして品質を確認しています。
次に歴史の長い2基の蒸留器です。

収穫後から翌年の3月終わりまでの期間のみ蒸留される為、6月下旬のこの時期は可動されていませんが、蒸留期間は寝る暇がないほど目が離せず忙しくなります。
蒸留時間は24時間、第2次蒸留ではフランスのAOC規定(原産地統制呼称)によりアルコール度数70〜72%の原酒に合わす為、30分ごとに状態確認します。
それは近代的な自動的に設定した度数まで蒸留を続けてくれる蒸留器ではない為です。
第2次蒸留を終えた原酒はまず直接樽詰させて状態を落ち着かせてから熟成庫に運びます。

そしてここから造り手様々の熟成方法となるのです。
ジローさんが熟成に関して何よりも気を遣い、また重要と考えるのはまず湿度です。
築300年以上となる熟成庫でびっくりしたのは湧き出る水が流れていたり茸があったりと自然界に満ちていました。

その湿度約100%の高湿度となる貯蔵庫によりアルコール度数を下げることを可能とし、15年自然に寝かすとアルコール度数40度までカスクストレングスで造りあげられるポール・ジロー家です。
乾燥した貯蔵庫ではドライなコニャックが出来上がり、高湿度の貯蔵庫ではやわらかいコニャックが出来上がります。
4つの湿度の違う貯蔵庫を使い分け、樽の移動や移し変えという細かい作業を繰り返すことで製品化する愛の賜物としか言いようがありません。
そしてもう1つジローさんが重要視するのが樽の個性です。

使用する樽は古樽、それほど使い古されてない若めの樽、新樽の3種を使い分けしますが、コニャックはまず新樽に入れて熟成します。
その新樽は1樽800EUROするという内訳も教えて頂きました。
その高額なる新樽へ詰められた中でも、葡萄の良さを全面に出すプロプリエテールでは長い間新樽に入れません。
新樽で熟成をすればする程樽の成分が抽出されますが、折角の葡萄の良さを隠してしまうからです。
勿論砂糖やキャラメル・着色を一切使用しませんが、ある意味自信がないと出来ない素っぴんコニャックを生むことが出来ます。
一貫した自家でのボトリングや

ラベル張りへ

これも見切れる範囲だからこそ出来るスタイルから、1本1本により情熱が含まれていると思います。
じっくりと詳しい説明を受けてのテイスティングは掛け替えのない時間となりました。

本日3軒目で、また各家で飲ませて頂いたコニャックを含めると相当な量となりましたが、見学と説明を受けての味わいはこれ以上なく染み渡りました。
ジローさんにも手拭いと羊羮をプレゼントし、ジローさんも機嫌良く招き猫のポーズを取ってくれていました。

魂が注入され、テンションが上がっていた自分は、ジローさんにコニャックと羊羮の合わせのマリアージュを熱々と説明を始めていました(笑)
羊羮とコニャックの繊細な味わいによる合わせは勿論ですが、何よりもプロポリエテールのコニャックを飲む際に重要な点。
その点とは“水”との相性の悪さでありました。
ハードリカーを飲む際にチェイサーは大事でありますが、チェイサーを飲んで口にまだ水分が残っているところにコニャックが入ると繊細なコニャックだと味わいも一気にストーンと落ちてしまう為、口の水分を拭う1つとして羊羮の位置付けを考えました。
水を切ったり一度口の中をフラットの状態にするにはバケットも良く、よく試飲会でバケットが置いてあるのもその意味があるのですが、口の中の水分を吸収し水分がない状態にしてくれる羊羮が口に繊細に残る中にコニャックが入ると、“増幅装置”として口の中で“爆発する”味わいを楽しめると。
加水タイプのウイスキーのように原酒に水を加えて度数を下げるという工程の無いコニャックで、特に繊細、華やか、優雅なプロポリエテールでは尚更、水との相性の悪さから飲んで頂く中で注意して頂く点でありました。
情熱ある造り手に現地で接し、熱い魂をより感じているからこそ、その想いを伝道したいし、折角の1杯を美味しく飲んで頂きたい思いでしかありません。
そして、羊羮によりコニャックをより美味しくお客様に飲んで頂いて欲しい気持ちから、自分味の羊羮を作るに至った想いをじっと真剣に聞いてくれたジローさんでした。
ポール・ジロー家のコニャックは酒質から噛むようにして飲むと葡萄の旨味が広がる中、より羊羮が引き出してくれると大熱弁してしまった自分がいました…
ジローさんに感謝の想いから秘蔵の1本を購入し用意して頂いてる間に事務所の壁を見ると正規代理店ジャパンインポートシステム社員さんのサインが張られていました。

ポール・ジロー家のコニャックは現在輸出が1番多い国は日本、2位がドイツ、3位はデンマークという中、日本正規代理店向けには1番いい樽を入れるんだと言い切っていたジローさんでした。
そしてその横には愛するギィ・ピナール家で教えて頂いた仏コニャック協会がコニャック販促用に考案したカクテル“コニャック・サミット”のポスターも張られていました。
ジローさんと熱い握手を交わし、車まで見送ってくれた中お別れとなりました。
グランド・シャンパーニュ地区超一等地3つの農家を廻り、よりコニャック文化伝動へ気持ちが高まる経験となりました。
by doras.nakamori
| 2013-09-08 07:07
| ヨーロッパ旅
|
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