福岡旅-其の弐- |
ホテルにチェックインして荷物を置いて直ぐに出ました。
ホテルから歩いて3分で2年振りに「BAR STAG」の扉へ
長年毎年欧州を廻り、アジアへも含め常に外へ目を向けてアンテナを張りながら“STAGはお酒の世界遺産で社会に貢献します”という言葉、40代半ばを越えて今でも欧州へ赴きながら攻めているのは和才さんが筆頭ではと刺激になり、また色々な経験談を教えて下さりお世話になっております。
扉の横に付いているインターフォンからも扉の向こうは空気が保たれ、お客様皆様の気持ち良さそうな表情が印象的です。
この日は到着が23時を回ってしまい、STAGの世界を感じるには短い2時間弱の時間となってしまいましたが、時間凝縮で自分もスイッチを入れて向かっていきました。
今日は和才さんが先月10月にまた廻られてきた仏・ノルマンディーのカルヴァドス編へ
オリジナルボトリングを含めSTAGでしか堪能出来ない世界に入り込んでいきました。
途中アテに出して頂いたのはスペイン産でここまで柔らかい生ハムも初めてですが、その上に乗るのは先月ノルマンディーからイタリア入りして仕入れてきた香りの爆発した白トリュフです。
長い余韻が続く中で和才さんが伝道酒を組み立ててカルヴァドス編はクライマックスへ
写真にないボトルを含め10種類を集中して堪能しました。
バーに行く中で「折角バーに行くならカクテルを飲まなきゃ。ウイスキーやブランデーを飲むなら家でも一緒」と大きな勘違いをされる方も多くいますが、カクテル以上に1番難しいのがストレートでお出しすることであります。
開封した1本の味を感じ取り、そのお酒が開くのはいつなのかを見極め、DORASでも折角欧州から仕入れた中でもグッと我慢して味わいを育て上げていきます。
その潜在能力を引き出してあげるまで約2年我慢したお酒もありました。
その1本は寿命がいつまでかという残りの期間でおすすめしていければいい訳ですが、欧州でそれだけの先行投資をしながら我慢するという、売らなければお金にならなくてもその1杯をよりいいパフォーマンスで表現させてあげたい…
造り手の魂を受けてくる中ではその想いをどれだけ伝道出来るか…
それに伴い、その日のお酒の状態によりグラスを選び、より味わい伸ばしてあげる…
欧州行く先々でアンテナをお張り巡らせて、「これには何を注ぎたい」とのインスピレーションが沸いた物だけ持ち帰るグラス…
だからこそ1本1杯に対してどれだけの想いを注ぎ込めるかに気を遣い、ストレートは注ぐだけではないのです。
想いの籠ったカルヴァドス編を感じまくりました。
より自分もとやる気を頂いた時間でした。
そして、和才さんも自分もカクテルに対しての想いも一緒です。
手法と技術の追求は日々、終わりなき何が正解と答えのないのがカクテルの楽しさでもあるからです。
1杯、渾身のカクテルを頂きました。
カクテルの表現、そして注がれるグラスをトータルして1杯となります。
〆にリキュールを頂き壮大な物語の幕が降りました。
営業を終えて照明が上がった中で和才さんとの熱い1枚を
そして小倉の深夜は和才さんと“小倉サミット”が開催に向けて扉を出ました。
2軒をはしごし朝6時近くまで、和才さんに欧州でのテクニックやマジックと…
突っ込んだいい時間を和才さんに頂きました。
僕も最後熱くなってしまいましたが…(笑)
ホテルへ帰り就寝、和才さんに遅めのランチを予約して頂いていたのでチェックアウトを延長してそれまで休みました。
14時に指定の待ち合わせ場所で和才さんと再会し、看板もなく階段脇に目立たなく表記されていた寿司「小山」さんへお連れ頂きました。
人目に付かないスタイルはSTAGに通ずるものを感じ大将と対面し、独自の道を貫く姿にわくわくしていました。
和才さんから「寿司のオールドヴィンテージ」という分かり易いキーワードでの説明があったよう、小山さんではネタは全て熟成させた旨味を使うという、オールドボトルを飲んでいるような寿司を堪能させて頂きました。
先日飲み過ぎた身体にビール、冷酒、鰭酒と頂いた中での土瓶蒸しも染み渡りました。
寿司でチーズを食べているような感覚も初めてで、大将の美学と共に想いの詰まった1貫1貫は、1杯に対する自分達の想いと重なり、ぶれずに貫く道を進んでいく大切さを再確認出来たいい時間ともなりお店を後にしました。
連日時間を取っていただいた和才さんに感謝です。
小倉で魂をくすぐられ、このまま帰って営業したい思いに駆られましたが、
旅は小倉から博多へ続きます。
(続く…)