2015年 01月 11日
2014年フランス旅 後記 vol.16 |
9月22日(月)
朝7時半に起床し、カーテンを開けるとシャラント渓谷を望む向こうに昇る太陽が見え始めていた。
ローランさん家でのファミリーとの6日間から1人になって、静か過ぎる時間が止まったよう、しばらく窓から昇る太陽を見続けていた。
行きの飛行機で読んでいたヘミングウェイの「日はまた昇る」がふと頭をよぎった。
今日はどんな旅が待っているのだろうかと思うとワクワクしてくる気持ちから、バスタブにお湯を張り、ゆっくりと浸かって気持ちを定め、1階のダイニングルームに朝食を食べに向かった。
朝食はバイキング。
先日ランチでローランさんとジュンコさんとランチをした同じテーブルを敢えて選んで座り、ゆっくりとした朝食を楽しんだ。
ランチでも寄ってきたホテルに住み着くネコが寄ってきた。
頭を撫で、
喉をさすり、
1人での朝食を一緒に楽しませて貰った。
部屋に戻り、9時半にチェックアウトする旨をオーレリーさんに電話で伝える。
理由は昨夜一緒に飲んでいる際に、何とオーレリーさんがレンタカー会社まで車で送ってくれるという話をしていてくれていたからであった。
しかも、当初この日はホテルからアングレームへタクシーで約40分かけて向かい、アングレームでレンタカーを借りてコニャックへ戻り、夕方までコニャックを廻りアングレームへ戻って車を返し、列車でパリ入りする予定であったのであるが、オーレリーさんの話だとコニャック町中央にあるガソリンスタンドで同会社のレンタカーが借りれるからと、シャトー・ド・リューズから近い方に変更しようと提案を頂いていたのであった。
9時半にチェックアウトするとホテルで仕事中のオーレリーさんが降りてきてくれて、オーレリーさんの車で送って貰うこととなった。
とてもいい時間を頂いたシャトー・ド・リューズを出て、
コニャック町中央の騎士像から伸びるビクトール・ユゴー通りにあるガソリンスタンドに着いた。
ガソリンスタンドの中にレンタカー会社があり、停まっている黄色のフィアットを見たオーレリーさんが微笑みながら
「このかわいい車がそうね!」
と写真を撮ってあげると記念撮影を。
「後は中で手続きするのでこれで大丈夫」と伝え、オーレリーさんは
「レンタカーを返しに戻ってきたら一緒にランチしましょう♪」
と言いながら仕事へ戻って行った。
ガソリンスタンド内にあるレンタカー会社は事前に調べても出てこなかったので時間をロスせず助かった。
「さぁ、これから1人旅が始まる」と、手続きを済ませて車に乗り込んだ。
この日先ず向かうのは、コニャック地方一等地グランド・シャンパーニュ地区の中でも超一等地となるアンビルヴィーユ村に構える造り手「ラニョー・サブラン」。
昨年ようやく訪れることができ細部を見学させて頂き、その際に購入させて頂いた長期熟成なるコニャックを求め、旅前にインポーターにアポイントを入れて頂いていた。
大手ならアポ無しで訪れても誰かしら居るが、小さな農家となると畑へ出てしまって誰もいないこともあり、また収穫時期でもあり総出で畑に出てしまう事態を想定しアポを取っていたのであった。
晴天のもと車を走らせながら、コニャックに初めて訪れた2011年、スピード違反でまさかのレンタカー没収から訪れることが出来なかったラニョー・サブランに昨年レンタカーで向かった気持ちの躍動を思い出していた。
グランド・シャンパーニュ地区でも超一等地となる急斜面の畑が見えてきた。
スゴンザックに来ると2011年に訪れた造り手「フラパン」の畑の標識が見えて路肩に車を停める。
コニャックを訪れた2回とも6月であったが、違いは9月の収穫を迎える前の畑であり、違う顔が見えるのに気持ちが高まり、車から飛び降りて畑に向かっていた。
「顔が違う。そう、収穫直前の畑を見れる最高の顔を見れるんだ!」
グランド・シャンパーニュ地区の特徴である石灰質の土壌。
その土で育つ収穫直前の糖度が増したブドウを手に触ってみる。
近くで作業している男性に近づき挨拶を交わすと、わざわざ日本から来た私を歓迎してくれていた。
出来たらこのブドウを食べてみたいと想いを伝えると勿論と育つユニ・ブラン種を1粒捥ぎ取り口にする。
ギィ・ピナールで口にしたブドウと同じく収穫直前を迎え糖度が高く甘みがあった。
酸があるために蒸留に向く品種であるが、1番いい時期のブドウを口にする経験に舌の各部を使い味覚を感じようと集中していた。
綺麗な酸味と甘みの余韻を楽しみながら、ラニョー・サブランのアポの時間が近づいているのを確認し、車に戻ってアンビルヴィーユへ向かった。
スゴンザックからD49の1本道を進むとアンビルヴィーユ村に着いた。
ラニョー・サブランへ向かう。
もう少し時間があるので車を停めて畑へ向かう。
360度見渡して誰ひとりいないグランド・シャンパーニュの収穫を迎える畑を一人占めしている。
そんな贅沢な時間がゆったりと流れていた。
車に戻ってアクセルを踏み、アポの少し前にラニョー・サブランに着くとちょうど表でオーナーのアニーさんを見つけた。
昨年からの再会であっても、2011年にレンタカー没収で辿り着かなかったのをアニーさんは事故で辿り着かなかったと昨年まで思っていた様で、そのインパクトから私を覚えていてくれていたのであった(笑)
アニーさんが歓迎の「パラディ」を注いでくれた。
このパラディはラニョー・サブランの先代マルセル・ラニョーのさらに先代、初代となるガストン・ブリアンの遺産が詰められた歴史ある1本であり、色々とテイスティングしながら今年もそのパラディや幾つかのボトルを購入した。
このラニョー・サブランも栽培から瓶詰まで一貫して自家で行う“プロプリエテール”であるが、
瓶詰工場で商品を受け取るとお土産まで頂き、
ラニョー・サブランを後にした。
スゴンザックへ戻り、思い出の教会に車を停めて、静かで穏やかな空気を吸い込んだ。
そして、先ほどゆっくりと見れなかったフラパンの畑にもう一度車を停めて向かった。
降り注ぐ太陽が収穫を迎えるブドウを照らし、エメラルドグリーンにキラキラと輝いている。
これからコニャック地方で初めて訪れるボルドリ地区へ、
「グランド・シャンパーニュ地区と対極なるコニャックが造られる畑を早く見てみたい!」
と、最高条件が整ったこの日の残されたコニャックでの時間を出来る限り感じたいと車に乗り込みアクセルを踏み込んだのであった。
朝7時半に起床し、カーテンを開けるとシャラント渓谷を望む向こうに昇る太陽が見え始めていた。
ローランさん家でのファミリーとの6日間から1人になって、静か過ぎる時間が止まったよう、しばらく窓から昇る太陽を見続けていた。
行きの飛行機で読んでいたヘミングウェイの「日はまた昇る」がふと頭をよぎった。
今日はどんな旅が待っているのだろうかと思うとワクワクしてくる気持ちから、バスタブにお湯を張り、ゆっくりと浸かって気持ちを定め、1階のダイニングルームに朝食を食べに向かった。
朝食はバイキング。
先日ランチでローランさんとジュンコさんとランチをした同じテーブルを敢えて選んで座り、ゆっくりとした朝食を楽しんだ。
ランチでも寄ってきたホテルに住み着くネコが寄ってきた。
頭を撫で、
喉をさすり、
1人での朝食を一緒に楽しませて貰った。
部屋に戻り、9時半にチェックアウトする旨をオーレリーさんに電話で伝える。
理由は昨夜一緒に飲んでいる際に、何とオーレリーさんがレンタカー会社まで車で送ってくれるという話をしていてくれていたからであった。
しかも、当初この日はホテルからアングレームへタクシーで約40分かけて向かい、アングレームでレンタカーを借りてコニャックへ戻り、夕方までコニャックを廻りアングレームへ戻って車を返し、列車でパリ入りする予定であったのであるが、オーレリーさんの話だとコニャック町中央にあるガソリンスタンドで同会社のレンタカーが借りれるからと、シャトー・ド・リューズから近い方に変更しようと提案を頂いていたのであった。
9時半にチェックアウトするとホテルで仕事中のオーレリーさんが降りてきてくれて、オーレリーさんの車で送って貰うこととなった。
とてもいい時間を頂いたシャトー・ド・リューズを出て、
コニャック町中央の騎士像から伸びるビクトール・ユゴー通りにあるガソリンスタンドに着いた。
ガソリンスタンドの中にレンタカー会社があり、停まっている黄色のフィアットを見たオーレリーさんが微笑みながら
「このかわいい車がそうね!」
と写真を撮ってあげると記念撮影を。
「後は中で手続きするのでこれで大丈夫」と伝え、オーレリーさんは
「レンタカーを返しに戻ってきたら一緒にランチしましょう♪」
と言いながら仕事へ戻って行った。
ガソリンスタンド内にあるレンタカー会社は事前に調べても出てこなかったので時間をロスせず助かった。
「さぁ、これから1人旅が始まる」と、手続きを済ませて車に乗り込んだ。
この日先ず向かうのは、コニャック地方一等地グランド・シャンパーニュ地区の中でも超一等地となるアンビルヴィーユ村に構える造り手「ラニョー・サブラン」。
昨年ようやく訪れることができ細部を見学させて頂き、その際に購入させて頂いた長期熟成なるコニャックを求め、旅前にインポーターにアポイントを入れて頂いていた。
大手ならアポ無しで訪れても誰かしら居るが、小さな農家となると畑へ出てしまって誰もいないこともあり、また収穫時期でもあり総出で畑に出てしまう事態を想定しアポを取っていたのであった。
晴天のもと車を走らせながら、コニャックに初めて訪れた2011年、スピード違反でまさかのレンタカー没収から訪れることが出来なかったラニョー・サブランに昨年レンタカーで向かった気持ちの躍動を思い出していた。
グランド・シャンパーニュ地区でも超一等地となる急斜面の畑が見えてきた。
スゴンザックに来ると2011年に訪れた造り手「フラパン」の畑の標識が見えて路肩に車を停める。
コニャックを訪れた2回とも6月であったが、違いは9月の収穫を迎える前の畑であり、違う顔が見えるのに気持ちが高まり、車から飛び降りて畑に向かっていた。
「顔が違う。そう、収穫直前の畑を見れる最高の顔を見れるんだ!」
グランド・シャンパーニュ地区の特徴である石灰質の土壌。
その土で育つ収穫直前の糖度が増したブドウを手に触ってみる。
近くで作業している男性に近づき挨拶を交わすと、わざわざ日本から来た私を歓迎してくれていた。
出来たらこのブドウを食べてみたいと想いを伝えると勿論と育つユニ・ブラン種を1粒捥ぎ取り口にする。
ギィ・ピナールで口にしたブドウと同じく収穫直前を迎え糖度が高く甘みがあった。
酸があるために蒸留に向く品種であるが、1番いい時期のブドウを口にする経験に舌の各部を使い味覚を感じようと集中していた。
綺麗な酸味と甘みの余韻を楽しみながら、ラニョー・サブランのアポの時間が近づいているのを確認し、車に戻ってアンビルヴィーユへ向かった。
スゴンザックからD49の1本道を進むとアンビルヴィーユ村に着いた。
ラニョー・サブランへ向かう。
もう少し時間があるので車を停めて畑へ向かう。
360度見渡して誰ひとりいないグランド・シャンパーニュの収穫を迎える畑を一人占めしている。
そんな贅沢な時間がゆったりと流れていた。
車に戻ってアクセルを踏み、アポの少し前にラニョー・サブランに着くとちょうど表でオーナーのアニーさんを見つけた。
昨年からの再会であっても、2011年にレンタカー没収で辿り着かなかったのをアニーさんは事故で辿り着かなかったと昨年まで思っていた様で、そのインパクトから私を覚えていてくれていたのであった(笑)
アニーさんが歓迎の「パラディ」を注いでくれた。
このパラディはラニョー・サブランの先代マルセル・ラニョーのさらに先代、初代となるガストン・ブリアンの遺産が詰められた歴史ある1本であり、色々とテイスティングしながら今年もそのパラディや幾つかのボトルを購入した。
このラニョー・サブランも栽培から瓶詰まで一貫して自家で行う“プロプリエテール”であるが、
瓶詰工場で商品を受け取るとお土産まで頂き、
ラニョー・サブランを後にした。
スゴンザックへ戻り、思い出の教会に車を停めて、静かで穏やかな空気を吸い込んだ。
そして、先ほどゆっくりと見れなかったフラパンの畑にもう一度車を停めて向かった。
降り注ぐ太陽が収穫を迎えるブドウを照らし、エメラルドグリーンにキラキラと輝いている。
これからコニャック地方で初めて訪れるボルドリ地区へ、
「グランド・シャンパーニュ地区と対極なるコニャックが造られる畑を早く見てみたい!」
と、最高条件が整ったこの日の残されたコニャックでの時間を出来る限り感じたいと車に乗り込みアクセルを踏み込んだのであった。
by doras.nakamori
| 2015-01-11 13:22
| ヨーロッパ旅
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