“The Sloth” for Rum and Whisky |
先月の京都廻りで共通のお客様や同業者からもお聞きしていて、またお店のブログも拝見させて頂いてます「Rum and Whisky」さんへ初めてお伺いでき、店主定元さんの1杯へ懸ける愛を感じさせて頂き、とてもいい時間を頂きました。
その際に飲ませて頂いたオリジナルボトルのラムもとても印象に残り、次回はゆっくりとお邪魔したいと名残惜しく次のお店へ腰を上げたのですが、先日定元さんから1通のメールを頂き、「オリジナルボトルの再入荷(39本)があり宜しければどうでしょうか?」とご案内から一つ返事に購入を決め、浅草で1本提供をさせて頂くことになりました。
開封し、時間をかけてじっくりと提供していきたいと思います。
以下は定元さんから同封して頂いたオリジナルボトルの資料を載せさせて頂きます。
『近年、ウイスキーの世界に比べれば変化の穏やかなラムの世界におきましても同様に古酒の枯喝、価格の高騰が目立つようになりました。
現地にまだ古酒の樽があるなら是非日本市場にと、代理店の方に70年代以前の原酒を探していただけるようお願いしておりました。
遅きに過ぎたのか、既に現地でも古酒のストックはなかなか見つからず、そんな折にこのサンプルを送っていただきました。1997年蒸留のカロニです。
閉鎖蒸留所の希少性はありますがまだ古酒ともいえず、また最近も随所よりリリースされていますので、当初は「私が詰めなくても・・」と思いました。
テイスティングしました。甘い果実香と粘性のあるボディは典型的な近年の97カロニの特徴です。
ただ、同スペックの他の原酒に豊かな、焼けたゴムや焦がした砂糖のようないわゆる“ラムらしい”といわれる香味が極端に少ないサンプルだったのです。
これらはラムの愛好家にとっては代えがたい魅力ながら、ウイスキー愛好家の皆様にはネガティヴな要素として敬遠されてしまう香味です。
それらが僅かなこの原酒なら、普段ラムをお飲みにならない方々にもお勧めできるのではと思いました。
ウイスキーとラムの世界を繋ぐことは、常々私が目標にしていることの一つです。
それはこの目的にぴったりの原酒だと、当店で詰めることに決めました。
ウイスキーの愛好家の皆様、特に近年人気のフルーティーなタイプがお好きな皆様、是非一度口にしてみてください。そしてもし気に入っていただきましたら、お近くの専門店で様々なラムをお試しください。僭越ながら当ホームページ掲載のラム分類法も目安にしていただけましたら幸いでございます。
またもちろんラム愛好家の皆様も、このユニークな原酒の特別な個性をお愉しみくださいませ。
【テイスティング・ノート】
《香り》
シロップ漬けの黄桃の甘みとドライアプリコットの酸。熟した洋梨。わずかに金木犀。
バニラとペパーミントのアクセント。
ドイツ系ボトラーの中熟ハイランド・モルト、もしくはマルティニーク島のラム・ヴュー・アグリコールのよう。
徐々に湧き上がるバナナと潮風。白木の爽やかさ。
《味》
アプリコット・ネクターと少量の海水のカクテル。
舌をおおう上質なオリーブ・オイル。
樽由来の程よい渋味が全体を引き締める。
《余韻》
シロップの甘さと上品な木の渋みが長く続く。
【ラベルについて】
樹懶捉月図(じゅらいそくげつず)
ナマケモノは、トリニダードを含む中南米に広く生息する動物。英名“Sloth”。
樹懶捉月図は古来多くの絵師が描いた仏典の寓意図。
南禅寺金地院の長谷川等伯のものが有名。
水面の月を取ろうと溢れる猿の姿は、非現実な大望を抱き身を滅ぼす愚かさを戒めています。
一方このナマケモノは、月に気付いているのかいないのか、
捉えるどころか視線も向けてもいないようです。
破滅の罠に近寄らぬ賢者か
美を解さぬ愚か者か
或いは只の・・ナマケモノか。』
(定元さんより)
ラベルは定元さんの友人バーテンダーが描いたそうです。
Rum and Whisky
http://rumlovers.net/
そんな難しい話抜きに純粋に美味しかったです♪(*^o^*)
御馳走様でした!
復習までして頂き(笑)嬉しいです!