コニャックを飲む際に1番注意する点として口内の水分を如何に拭うか?
穀物から造られるウイスキーはアルコールができるためには水(仕込み水)が必需品で、それにより穀物が糖化して“もろみ”が出来上がります。
水が入ることにより生産量の多いウイスキーは蒸留する前の段階で水を使うことからも水との相性が良いのに対し、コニャック(ブランデー)は白ブドウをプレスした果汁から発酵して“もろみ”ができ、それを蒸留する中で蒸留前に水が入らないため生産量も少なく、また水との相性も良くないのも根本として大きな違いがあります。
大手メーカーのコニャックに関しては、アジア・アメリカの氷を使う文化の国々向けには良い意味での加糖をし、それによりコニャックと相性の良くない氷や水が入っても味わいが壊れないような“化粧”をし、各国の文化に合わせて手法と技術を持ちコニャックを造ります。
小さな農家タイプのプロプリエテール(栽培から瓶詰まで一貫して自家で行う)コニャックでは、その土地のテロワールの良さを前面に出し、ブドウ本来の味わいを大切にする“すっぴん”では氷や水との相性が悪く、味わいにエグ味が出てしまいます。
大きな味わいの良し悪しは、チェイサーの水を飲んだ後の口内の水分にあります。
(弊店では水でなく水出しのアールグレイを提供し、茶葉でエグ味を包み込む意図として)
そこで、DORASでは「
自家製羊羹」を使い口内の水分を練り羊羹が拭い、甘みを極力落とした繊細な餡子により口内の糖コーティングを作ることにより、コニャックの綺麗なブドウ感を引っ張り、水分によるエグ味を消し去り、ブドウ本来の味わいを楽しんでいただきたいと思っております。
シャルトリューズの香り付けをした自家製羊羹もコニャック用の
増幅装置として、一杯をより美味しく飲んでいただくため、造り手の良さ、想いを伝道するためにサービス品として添えております。
(弊店ではフードメニューはやめ、一杯一杯をより美味しく飲んでいただけたらという想いのもとに、味わいを伸ばすためのアテは増幅装置の意味として全てサービス品としております)
グランド・シャンパーニュ地区超一等地「
フラパン」のような繊細・優雅・エレガントなコニャックには、より効果を生み出します。
こちらのボトル「フラパン シャトー・フォンピノ」はグランド・シャンパーニュ地区ではまだまだ若い熟成年数ながら、コニャック入門として入り易いのでおすすめです。
商品名とラベルに描かれているシャトー・フォンピノ付近の畑には樹齢の長いブドウが育っていました。
詳しい話は上梓した「旅するバーテンダー(中森保貴:著・双風舎:刊)」、「旅するバーテンダー2(中森保貴:著・皓星社:刊)」にて。
是非こちらもお読みいただけましたらと思います。