
6月21日(火)
朝6時半の目覚ましの音で起きました。
今回の旅も終わりとなり、10時50分にパリからフランクフルトを経由して23日(水)の朝7時40分に成田に着く流れとなります。
パリ初日に出逢いのグラスをまだ梱包をしていなかったので、飛行機に乗る際の手荷物で持ち込む大きな布地カバンをスーツケースに小さく丸めてあったので出し、大きなリュックに入っていたグラスをそれより大きな布地カバンの方に入れ換えました。
荷物を纏めて8時を過ぎてチェックアウトしようとフロントへ降りました。
ホテルの目の前からタクシーに載ってシャルル・ド・ゴール空港に向かおうとしていましたが、フロントの年輩女性が
「今日はメトロがストライキを起こしているから動いてないし、車は大渋滞よ!」
と言うのでタクシーをホテルに呼んで貰いましたが、幾ら待っても電話は繋がらず…
メトロが使えない為に交通機関が乱れていました。
フロントの女性も首を横に振っていて仕方ないのでホテルをチェックアウトしてホテルの目の前にあるテルヌ大通りのタクシー乗り場でタクシーを待ちました。
道路は大渋滞でタクシーは全て空車がない状況でした。
タクシー乗り場には先頭の自分の他に2番目にスーツを着て小さなスーツケースを持ったビジネスマン、3番目に黒人男性が並んでいました。
スーツを着たビジネスマンが僕に
「シャルル・ド・ゴール空港まで?」
と聞いてきたので頷いて返事をすると
「メトロのストライキでタクシーも空車がないから、空港まで一緒に乗って料金をシェアしません?」
と話になり、快諾してタクシーを待ちました。
時間だけが過ぎていきました。
30分が過ぎて黒人男性は諦めていなくなってしまい、2人で渋滞した通りを見渡しながらタクシーを探しましたが…
1時間を経過して暫くしてようやく空車のタクシーが1台来て、トランクに大きな荷物を積み込み車に乗りました。
一緒に乗ったビジネスマンはフランス人でパリから出張で出るようでした。
運転手さんとのフランス語の会話から何となく頼りになるなとホッとしていました。
しかし街中はとても混んでいてタクシーは中々動かず、運転手さんは裏道を駆使して高速道路に乗りましたが、大渋滞で全く動かなくなりました。
隣のビジネスマンは携帯電話で航空会社や自分の会社に電話していましたが、ここまで来たらじっと待つしかないし気になるので寝てしまおうと目を瞑りました。
大渋滞していて中々進まない高速道路でしたが、車がいきなり動き出したので目を開けると一般道に降りていました。
運転手さんとビジネスマンのフランス語の会話から下道に降りて渋滞を交わしながら進んでいました。
途中でまた高速道路に戻り、少し渋滞が緩和した道路を進み空港に向かいました。
ビジネスマンに
「どっちのターミナルへ?」
と聞かれ「ターミナル1」と言うと先に僕を降ろしてくれ、タクシー代の約半分を渡して荷物を降ろすと、直ぐにタクシーはターミナル2へ向かって行きました。
荷物をカートに積んで転がしながらチェックインしにカウンターに向かいましたが大行列となっていて皆ピリピリして待っていました。
メトロのストライキが原因でこんだけ並んでいるんだし、まだ空港に着かない人達も多いだろうし大丈夫だろうと、ここまで来れたことで気持ちも落ち着いて列に並んでいましたが、気になることは預けるスーツケースの重量と手荷物カバンの大きさと重さでした。
カウンターに並ぶブース内の顔ぶれを見ながら、チェックの緩そうな顔つきのあのブースがいいなとかあの人は見た目がキチキチしていてチェックが厳しそうだ…
とか見比べながら待っていると自分の番となり呼ばれました。
忙しそうでピリピリしていて嫌な予感がするなと思いながらスーツケースを乗せました。
案の定
「荷物が重量オーバーなのと手荷物が大きすぎるから預けないとダメで、そのカバンもスーツケースと一緒に置いて下さい!」
とのことになりました。
カバンにはグラスが満載なので割れてしまうから預けられないので、捨てる物は捨てるからとスーツケースを降ろして開けました。
リュックを出して「これなら機内持ち込み大丈夫?」と聞くと頷くので、大きなカバンを開けてグラス類をリュックに詰め込むことにしました。
スーツケースに入っていた服は重ね着して入りきらないグラスはポケットに入れて手荷物は移し替えが終わりました。
空いた布地カバンを係員に渡し、その中にスーツケースから重量を軽くするために荷物を捨てていると
「もういいわ!大丈夫」
とそのままチェックイン出来ることになりました。
ジーンズのポケットの前後にはフーシニャック村のギィ・ピナール家とスゴンザックのフラパン家から頂いた宝物の畑の石を詰め込んで切れそうでした。
畑を廻って重みを感じ、その中で頂いた宝物が荷物の中で1番重いのはわかっていましたが、何を言われても絶対に捨てる気はなく全部持ち帰る事が出来ました。
チェックインを終えて手荷物検査も無事に終えて搭乗ゲートに急ぎましたが、予想通り飛行機の出発は遅れるとのことで、かなり待つことになりました。
大幅に遅れてパリからフランクフルトに発ちました。
フランクフルトに当初12時5分に着いて13時40分に成田へ発つ予定でしたが、フランクフルトに着いたのが1時間遅れでした。
成田へ向かう搭乗ゲートに向かい歩きましたが中々着きません。
ゲートまでかなり歩きましたが時計を見ると13時半近くとなっていました。
係員に搭乗ゲートを見せてここからどれ位歩くのかを聞くと
「20分位」
と言うので焦りました。
あと10分しかないと思い走って向かいました。
帰国してから分かったのですが、フランクフルトの空港はヨーロッパで1番大きな空港らしく、成田の6倍だか8倍の大きさを誇るとの事でしたが 走って走ってギリギリ搭乗に間に合いました。
飛行機で席に着き走った汗と冷や汗をかいていたので薄着になると直ぐに飛行機は飛び立ちました。
荷物のチェックインが無事にいきホッとしていたところ、フランクフルト空港内の広さに慌ててしまったので、これで成田までゆっくりしようと寛ぎました。
フランクフルトで1杯ビールを飲もうと空港内を歩きながら考えていましたが、寄っていたら飛行機は出てしまっていたと思いながら…
成田に7時40分に着くと湿度の高いモワ~ッとした暑さを感じました。
入国審査を受けて歩いていると何か書かれた紙を持った2人の女性が
「こちらに名前が書いてある方はお預けの荷物が届いてませんのでいらして下さい」
と何度も大声で言いながら立っていました。
紙を見ると約40名のその中に
『ナカモリ ヤスタカ 様』
の名前を見つけました…
名前を言うとフランクフルトで時間が間に合わず荷物を乗せる事が出来なかったとのことでした。
最後までトラブルに巻き込まれます(苦)
係員と一緒に荷物受けとり近くのブースに行きました。
スーツケースは今日の夕方に成田に着くとのことで、待つには半日待たないとならないので荷物が届いた時点で配達サービスの車が各々を巡回して夜には届けてくれることになりました。
ただ、
「通関で中身をチェックする場合があるのでスーツケースの鍵を預からせて下さい」
と言うので「プライベートな物が入っているので預けられません」と伝えると
「その場合、もし中身をチェックすることになった時は空港まで来て戴くことになります」
と面倒なことになりました。
スーツケースの中にはピレネー山奥へ見つけに行ったアブサンやパスティス、アニスの小さな瓶に詰められた7ミリリットルの原液が一生涯分の約300本、容量を計算すると手荷物の3本以内にギリギリ収まるのですが、嫌な予感がしながら渋々と鍵を預け、荷物チェックで係員に別送品のお酒の書類と今日届くスーツケースが書かれた書類を見せ、グラス類の入ったリュックだけ背負い、成田から浅草へ電車で向かいました。
スーツケースもなく身軽での帰国となりました。
家に着いて約半日経過し夜にスーツケースが届きました。
中を開け無事を確認した時点で今回のヨーロッパ旅が終わりとなりました。
この日はバタバタの連続で気づけば写真は一枚もないので、写真はパリ・シャンゼリゼ劇場前のモンテーニュ大通り沿いに掲げられた日の丸を。
旅の始めから最後までハラハラドキドキの連続が続きましたが…、無理をしても例年の倍の14泊16日の期間での経験は、全てが財産となったと思います。
今回の旅での全ての出逢いに感謝し、その土地その土地の文化や空気を吸収し、それをDORASの『扉』に持ち帰り店と自分へ自己投資する事が出来ました。
DORASの扉を開けるとまた新しいスペイン、フランスの風が入り込んでいます。
今回経験して来れたことを引き続き伝導し、『扉』にまた新たな風を入れられるよう来年へ繋げ、また同時に自らも高めていきたいと思います。
(完)